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中国大連の開発区のとある印刷工場でお勤め中の 筆者がなんとなくと言いつつもたまに本気出した りしなくもない勢いで書いてみたりする日記。
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最近多い物件は手提げの紙袋。

お母さんが「三越」や「西武」のロゴが入った手提げ紙袋を持って歩いていようものなら、「あら?奥様、ショッピング行ってらしたの?」と近所の奥様の注目度抜群。「お隣の奥さん、今日「三越」でショッピングだったそうよ。ウチも日曜日行きましょうよ。ねぇアナタぁ。」と妻からせがまれ、「お父さん、ボクもガンダムの超合金ロボ欲しいよ~!」と子供がとどめを刺す。それくらいご近所さまを騒がす、あの手提げ袋...。(関東地方ネタやな...)

普通のOLが「グッチ」のロゴの入った手提げ袋を持って歩いていたならば、たとえその中にお弁当が入っていたとしても、「こいつ、ただ者じゃねぇな...」とセレブなオーラに思わず圧倒されてしまう。もちろん曜日によって「シャネル」「ヴィトン」「ディオール」などと紙袋を使い分ける小技は重要だ。
また、月に一度は「成田空港」や「関西空港」の免税店の紙袋を持って行けば、さらにセレブ度アップは間違いなし。

毎年開かれる幕張メッセの各種イベントでは、各社がお客様に自社のカタログを大事にもって帰っていただくために、大小さまざまな手提げ袋を配っている。会場を徘徊する入場客たちは、まるでアリのように手提げ袋を配るブースへ群がる。しかし、機能性やコストを重視したコンパクトは手提げ袋は、より大きく頑丈な手提げ袋の中にしまわれ、帰りの電車の中は、その大きく頑丈な手提げ袋のメーカーのロゴで埋め尽くされ、それを見た人たちは「何事か?」と抜群の宣伝効果を誇ることができる。

とまぁ、数々の素晴らしいドラマを生み出すアイテム「手提げ袋」。

一般的な紙ひもを糊で貼り付けるだけのシンプルな紙袋であればコストも安いが、最近多くなってきているのは、プラスチックや布ひもの紙袋。しかも袋の表面はエンボス加工(ロゴを立体的に浮き立たせたり、ぎざぎざの凹凸がついていたりする)といった特殊加工の紙袋。
冒頭でご紹介したお話のように、手提げ袋は持って歩かれる一種の「広告媒体」であるから、より注目度を上げるための工夫が特殊加工の紙袋を増やすことにつながったのだと思われる。

「飛び出す紙袋」や「匂いのする紙袋」、「合体変形する紙袋」が登場するのも時間の問題かも知れない。
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そもそも何故大連で印刷工場をやってるのか?
「中国は人件費が安い」というのがその主な理由だが、中国の多くの製造業は南方にある。特に有名なのは広州。本田やトヨタの工場がある。

あえて中国の東北地方の玄関口「大連」で工場をやるには理由がある。

東北地方の人件費は北京・上海に比べて極めて安い。およそ半分ぐらいだ。
また日本に比較的近いことも魅力的だ。飛行機なら2時間程度で到着する。
これが広州になると4時間程度かかる。わずか二時間の差と言えばそれまでだが、実際に出張してみればその二時間が重くのしかかってくることを実感できる。
また、東北地方は歴史的にも日本と関係が深く、日本的な経営管理が理解されやすい基盤がある。南方ではこうはいかない。

以上のような理由から大連で印刷工場を操業している次第。
次回からは実際の仕事についてご紹介いたします。
初めて大連に来たのが4年前。
あの時は今とは別の会社に勤めていて、上司の命令で連れてこられたんだっけ。初めての中国はとっても面白くて、気がついたら大連の会社に転職してた。

それがブログのタイトル通りの「印刷工場」なわけだけど、印刷と言ってもいろいろある。チラシや雑誌、紙器(紙箱)、紙袋、シールなど。
ウチの会社は一通りやってるけど、中でも多いのは、紙器と紙袋。

紙器はいわゆる紙を使ったパッケージのこと。
例えばデパートでよく見かけるお中元やお歳暮の化粧箱。ああゆう季節モノの商品は時期が決まってて大量に必要だから、低コストに抑えておくに限る。
低コストなら中国だ、という発想で安易に中国企業に発注すると泣きを見る。

例えば中国国内で売られている、とあるボールペン。日本のそれと比べて「書き味」がよろしくない。インクもすぐ出なくなる。安いから仕方ないと言えばそれまでだが、一方で今日本で売られているボールペンの多くは中国製。中国製だからと言って書き味が悪いとか、そういう事は無い。

同じ中国製でこの違いは何か?

要するに「品質管理」の違いだ。
日本に輸出している製造工場では、日本式の品質管理が厳格に行われている。
材料の選定から製造の現場での調整まで。徹底した品質管理。
同じ大連・経済開発区の工場で生産管理をしてらっしゃる方がおっしゃったこと。

「中国製だからコストが非常に安いから日本製より多少品質が悪くても許される時代はとうの昔に終わっている。今はコストだけでは勝負できない。むしろ日本より納期がかかる分、日本製以上の高品質と低コストでなければ勝負できない。」

まさしくその通りだと思う。

私のような日本人が中国の工場で生産管理をやっているのは全く同じ理由からだ。
日本人として日本の消費者が要求する品質は熟知している。だから製造の現場で常に立ち会い、品質を管理する。問題があれば改善し解決する。それが私の仕事。

納期に製品を出荷した時は、本当に物作りの達成感を感じる瞬間。

さて今日も一日がんばりましょう。


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大連太郎
年齢:
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男性
誕生日:
1970/06/09
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自己紹介:
中国大連開発区のとある印刷工場でお勤め中。
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