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中国大連の開発区のとある印刷工場でお勤め中の 筆者がなんとなくと言いつつもたまに本気出した りしなくもない勢いで書いてみたりする日記。
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プリプレス。
日本語に翻訳すると「印刷前工程」。

一言に印刷工場と言ってもいろいろあります。
フィルムシートを持ち込まれて、それを刷って、製本するだけの場合。
これが印刷業界の仕事としては一番楽な部類になると思います。
ただし、当然のことながら印刷や製本の品質を厳しく問われることと共に、激しいコスト競争にも打ち勝たなければならないわけですが。

そこでウチの場合、印刷前行程も請け負っています。
レイアウトやデザイン全般、素材選びや素材そのものの作成、編集全般、フィルム出力用データ作成、フィルム出力などなど。

具体例を挙げると、たとえば企業紹介のパンフレットを作る場合。

まずはヒアリング。
どういうパンフレットを作りたいか?ページ数は?デザインイメージは?参考になるような資料は?(他社のパンフレットとか)

次に素材選び、および素材作成。
具体的には紹介する商品をどれにするか?とか社員の写真をどうするか?とか。
普通は実際の社員を使うことが多いけど、イメージ優先の場合はモデルを使うこともアリ。カメラマンやスタジオを手配して商品や人の撮影。

ヒアリングで得たクライアントの希望内容に合わせてパンフレットのレイアウトやデザインを行ないます。デザイナーのセンスが問われるクリエイティブな仕事。
写真素材は建物の周りの電線とか電柱など余分なものをトリミング(修正)します。
人物のシミ・ソバカス・目の下のくまなどもしっかり修正(笑)。中国のデザイナーのトリミング技術レベルは高いですよ。

ヒアリングや提供された資料を基にキャッチコピーや記事文章を作成。
これも編集者のセンスが問われるクリエイティブな仕事。
言葉は「企業のイメージ」を作り上げてしまうので最も神経を使いますね。

集められた素材を編集して出来上がった紙面データを印刷。
社内チェックをした後、クライアントに見せに行って確認。

まぁ、できあがったものが一発OKになることは少なくて、大抵「変更」というオマケが付きます。変更の後、クライアントのOKが出たところで、フィルム出力用の面付けレイアウトをします。印刷工場での印刷はプリンタみたいに一ページずつ印刷しません。4ページないし8ページを1シートとして印刷します。
印刷工場での裁断・製本を考え、決まったルールに従って面付けレイアウトを行います。ここでミスをすると、できあがってきたパンフレットのページの順番が間違ってしまいますので、しっかりと確認します。

あとはフィルムを焼いて、それを印刷工場に渡します。
印刷 → 裁断 → 製本 → 梱包 → 出荷
これでパンフレットの完成です。

プリプレスは商品の内容や品質を決定する重要な行程であり、当社の場合は常に二人の日本人が管理・制作を行なっています。

もっとわかりやすく書きますと、プリプレスから印刷までの全体を管理しながらクライアント対応をする日本人が一人。それとキャッチコピーや文章を考えたり、プリプレス行程の実作業を監督して指示を出す日本人が一人(私です)。

コストを抑えつつ、日本企業が要求する高い品質の商品を提供するには、この体制が今のところベストだと思っています。

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最近多い物件は手提げの紙袋。

お母さんが「三越」や「西武」のロゴが入った手提げ紙袋を持って歩いていようものなら、「あら?奥様、ショッピング行ってらしたの?」と近所の奥様の注目度抜群。「お隣の奥さん、今日「三越」でショッピングだったそうよ。ウチも日曜日行きましょうよ。ねぇアナタぁ。」と妻からせがまれ、「お父さん、ボクもガンダムの超合金ロボ欲しいよ~!」と子供がとどめを刺す。それくらいご近所さまを騒がす、あの手提げ袋...。(関東地方ネタやな...)

普通のOLが「グッチ」のロゴの入った手提げ袋を持って歩いていたならば、たとえその中にお弁当が入っていたとしても、「こいつ、ただ者じゃねぇな...」とセレブなオーラに思わず圧倒されてしまう。もちろん曜日によって「シャネル」「ヴィトン」「ディオール」などと紙袋を使い分ける小技は重要だ。
また、月に一度は「成田空港」や「関西空港」の免税店の紙袋を持って行けば、さらにセレブ度アップは間違いなし。

毎年開かれる幕張メッセの各種イベントでは、各社がお客様に自社のカタログを大事にもって帰っていただくために、大小さまざまな手提げ袋を配っている。会場を徘徊する入場客たちは、まるでアリのように手提げ袋を配るブースへ群がる。しかし、機能性やコストを重視したコンパクトは手提げ袋は、より大きく頑丈な手提げ袋の中にしまわれ、帰りの電車の中は、その大きく頑丈な手提げ袋のメーカーのロゴで埋め尽くされ、それを見た人たちは「何事か?」と抜群の宣伝効果を誇ることができる。

とまぁ、数々の素晴らしいドラマを生み出すアイテム「手提げ袋」。

一般的な紙ひもを糊で貼り付けるだけのシンプルな紙袋であればコストも安いが、最近多くなってきているのは、プラスチックや布ひもの紙袋。しかも袋の表面はエンボス加工(ロゴを立体的に浮き立たせたり、ぎざぎざの凹凸がついていたりする)といった特殊加工の紙袋。
冒頭でご紹介したお話のように、手提げ袋は持って歩かれる一種の「広告媒体」であるから、より注目度を上げるための工夫が特殊加工の紙袋を増やすことにつながったのだと思われる。

「飛び出す紙袋」や「匂いのする紙袋」、「合体変形する紙袋」が登場するのも時間の問題かも知れない。
そもそも何故大連で印刷工場をやってるのか?
「中国は人件費が安い」というのがその主な理由だが、中国の多くの製造業は南方にある。特に有名なのは広州。本田やトヨタの工場がある。

あえて中国の東北地方の玄関口「大連」で工場をやるには理由がある。

東北地方の人件費は北京・上海に比べて極めて安い。およそ半分ぐらいだ。
また日本に比較的近いことも魅力的だ。飛行機なら2時間程度で到着する。
これが広州になると4時間程度かかる。わずか二時間の差と言えばそれまでだが、実際に出張してみればその二時間が重くのしかかってくることを実感できる。
また、東北地方は歴史的にも日本と関係が深く、日本的な経営管理が理解されやすい基盤がある。南方ではこうはいかない。

以上のような理由から大連で印刷工場を操業している次第。
次回からは実際の仕事についてご紹介いたします。


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大連太郎
年齢:
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男性
誕生日:
1970/06/09
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