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中国大連の開発区のとある印刷工場でお勤め中の 筆者がなんとなくと言いつつもたまに本気出した りしなくもない勢いで書いてみたりする日記。
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DVD制作に関連した話として、中国のテレビについて話そうと思う。

あまり意識されていないことだが、中国と日本のテレビは方式が違う。
日本は米国と同じNTSC方式、中国はPAL方式だ。
走査線の本数やコマ数が違うために両者では機械の互換性がない。
だから映像のやりとりなんかは大変なんだろうなぁ、と思いきや、ちゃんと変換器がある。

DVDに至ってはちゃんとNTSCやPALの変換機能を内蔵している。
テレビ自体にも変換機能がある。
ウチではテレビはほとんど見ず、もっぱらDVDばかり見るので、テレビはNTSC仕様にしている。
このモードならば、日本のドラマやアニメは日本で見るのと同じようにキレイに見られる。

DVDについてはNTSCやPALといった映像方式の問題よりも地域別のプロテクトであるリージョンコードの方が問題だ。
日本のDVDは海外では見られないようにリージョンコードが指定されている。
これは映画会社などの権利を守るための仕組みだそうだが、DVDプレーヤーによって見れたり見られなかったりするとは迷惑な話だ。

しかし、中国のDVDプレーヤーは違う。
どんな国のDVD盤でも再生できる。
というか、どんなDVD盤でも再生できないようなDVDプレーヤーは中国では売れない。

中国ではDVDプレーヤーは安い。
近所のカルフールでは一番安いモノが168元(2500円ぐらい)である。
電子城でよく売られているDVDは品質があまりよろしくないので再生時、プレーヤーに負担がかかる。プレーヤーはおよそ半年で壊れる。壊れたら新しいのを買う。
だから電子城などで購入したDVDはパソコンのDVDドライブで再生しないほうがいい。
すぐドライブ壊れてしまうから。
デスクトップ・パソコンならドライブ交換もたやすいが、ドライブは300元ぐらいする。ノートパソコン用ドライブなら800元ぐらいするだろう。
だったらカルフールで168元のDVDプレーヤーを購入するほうが安上がりだ。

というわけで中国のDVD市場は活性化しているわけだ。

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最近力を入れている仕事は「DVD制作」。
撮影から編集、DVDのプレスまで全部やります!というもの。
昨今のAV機器の発達とパソコンの低価格化のおかげで、誰でも簡単にビデオ撮影して、パソコンで編集して、DVDを作ることができるようになった。
ただし「誰でも出来る事」では仕事にならない。
ウチの会社の売りは「中国で日本人のプロが映像制作している」という点。

プロというのは何を隠そう(隠さんでエェ)この私。
日本で7年ぐらい映像制作の仕事をしていた。
一番多かった仕事はテレビのCM制作。
その次がVP(Video Package)と呼ばれる企業紹介ビデオの制作。
もちろんブライダルビデオもやっていた。

大連の地でもっとも需要があるのは企業紹介ビデオ。
開発区にはたくさんの日系企業がある。
大連には当然のことながら、既に映像制作会社がいくつかある。
日本に比べ制作コストも安い。
普段はブライダルビデオをやっているようだ。
いくつがDVDを見せてもらったが、なかなかがんばっている。
機材も良いものを使っている。

しかし、制作技術はまだまだ改善の余地がある。
こちらのテレビの番組を見ていて気づくことだが、花火やライティング、舞台上の大型ディスプレイなど、目に見て派手な大型の演出道具は日本以上にガンガン使われているが、基本的な部分での機材の運用がなっていない。
例えば、三脚を使って撮影すべきところで使っていないために映像が揺れまくり。見ていて酔ってしまう。CMの音量はまるで揃っていない。音が大きすぎて割れまくっているチャンネルがある。たぶん放送時の音量管理という概念が無いと思う。
それでいて画面右下に常に字幕広告が出ているなど、斬新なCM放送(邪魔だけど)
を運用してしまう。

つまり、こちらでは「好看」(格好良い)であれば細かい点は別にいいじゃん!というノリが横行している。ただし、これでは一般的な日本人は許してくれない。
そこにウチの会社がつけいる隙があるわけだ。

ウチは当たり前のことを一つずつこなしている。
台本を書いて全体のストーリーを決定してから撮影段取りの調整に入って、撮影・編集。もちろん日本人(私)が字幕スーパーを制作するから「素っ頓狂な日本語」は出てこない。音声に至っては、はっきりとした発音を徹底し、BGMもハリウッド制作の出音のしっかりした著作権フリー音楽素材を使っている。
つまり日本と同じやり方で映像制作をしている。

日本人相手のニッチな商売だが、ここ中国では日本人の感覚で「普通」とされることが高く評価される。普通に作ること。実はこれが一番難しい。
「普通」というあいまいな感覚を身につけていなければ成り立たない仕事である。
日本での経験を生かした仕事を中国の地でできるということは幸せな事だと思う。
今作っているのは、ある会社のパンフレット。
パンフレットというのは会社の顔でもあり、結構気を遣う。
特に写真は重要だ。

日本ならば店舗やクライアントの建物の外観写真の修整をよく行なう。
邪魔な電線や電柱を消したり、無関係な看板を最初からそこに存在しなかったかのように消去できる。

この技術を徹底しているのが中国だ。

クライアントの老板の写真があれば、黙っていても修正する。
「しみ」や「しわ」を消去。白髪は当然染めて、出来上がった写真は実物よりも20歳は若い。
まさしく、川や水田などに生息し、魚や両生類を捕食するツルやコウノトリに似たあの生物だ。


何それ?


とにかくこちらの電脳を操る若者の技術はすごい。
PhotoShop使える子はたいていこの修正技術を持っていると言っていい。
街の証明写真屋さんで撮った証明写真ですら修正入れるぐらいである。

高度な写真の修整技術と好看なデザイン能力、中国のDTP技術は侮れない。
唯一苦手とするのが外国語。せっかく素晴らしいデザインでも単語のスペルが間違っていて、我々外国人が見ると、ちょっと恥ずかしい。いや、かなり...かも。
だから、ウチの会社では総経理と私の二人の日本人がダブルチェックする。
出来上がったモノは日本のモノに勝るとも劣らない完成度だ。


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HN:
大連太郎
年齢:
54
性別:
男性
誕生日:
1970/06/09
職業:
技術職
趣味:
インターネット、DVD鑑賞
自己紹介:
中国大連開発区のとある印刷工場でお勤め中。
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