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中国大連の開発区のとある印刷工場でお勤め中の 筆者がなんとなくと言いつつもたまに本気出した りしなくもない勢いで書いてみたりする日記。
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大連の製造業の多くは大連経済技術開発区に集まっている。
大連市内中心部から車で約40分。
そんな離れたところに何で工場を集めたか?
税制上の優遇措置というやつである。
中国は法人税が高い。企業活動を営むとなると売り上げの3分の1ぐらいは税金で持っていかれる。開発区であれば支払う税金はかなり少なくて済むため、製造業が集まるという次第。
おかげで開発区はここ数年でかなり発展した。
ホテルが整備され、飲食店も増えた。
市内に比べて3割から5割ぐらい安いので、工場の視察などで大連に来たのなら、開発区のホテルがお勧めである。
金洲や瓦房店の工場を視察する場合も大連市内よりも近い。
現在の開発区は非常に便利な街となっている。
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プリプレス。
日本語に翻訳すると「印刷前工程」。

一言に印刷工場と言ってもいろいろあります。
フィルムシートを持ち込まれて、それを刷って、製本するだけの場合。
これが印刷業界の仕事としては一番楽な部類になると思います。
ただし、当然のことながら印刷や製本の品質を厳しく問われることと共に、激しいコスト競争にも打ち勝たなければならないわけですが。

そこでウチの場合、印刷前行程も請け負っています。
レイアウトやデザイン全般、素材選びや素材そのものの作成、編集全般、フィルム出力用データ作成、フィルム出力などなど。

具体例を挙げると、たとえば企業紹介のパンフレットを作る場合。

まずはヒアリング。
どういうパンフレットを作りたいか?ページ数は?デザインイメージは?参考になるような資料は?(他社のパンフレットとか)

次に素材選び、および素材作成。
具体的には紹介する商品をどれにするか?とか社員の写真をどうするか?とか。
普通は実際の社員を使うことが多いけど、イメージ優先の場合はモデルを使うこともアリ。カメラマンやスタジオを手配して商品や人の撮影。

ヒアリングで得たクライアントの希望内容に合わせてパンフレットのレイアウトやデザインを行ないます。デザイナーのセンスが問われるクリエイティブな仕事。
写真素材は建物の周りの電線とか電柱など余分なものをトリミング(修正)します。
人物のシミ・ソバカス・目の下のくまなどもしっかり修正(笑)。中国のデザイナーのトリミング技術レベルは高いですよ。

ヒアリングや提供された資料を基にキャッチコピーや記事文章を作成。
これも編集者のセンスが問われるクリエイティブな仕事。
言葉は「企業のイメージ」を作り上げてしまうので最も神経を使いますね。

集められた素材を編集して出来上がった紙面データを印刷。
社内チェックをした後、クライアントに見せに行って確認。

まぁ、できあがったものが一発OKになることは少なくて、大抵「変更」というオマケが付きます。変更の後、クライアントのOKが出たところで、フィルム出力用の面付けレイアウトをします。印刷工場での印刷はプリンタみたいに一ページずつ印刷しません。4ページないし8ページを1シートとして印刷します。
印刷工場での裁断・製本を考え、決まったルールに従って面付けレイアウトを行います。ここでミスをすると、できあがってきたパンフレットのページの順番が間違ってしまいますので、しっかりと確認します。

あとはフィルムを焼いて、それを印刷工場に渡します。
印刷 → 裁断 → 製本 → 梱包 → 出荷
これでパンフレットの完成です。

プリプレスは商品の内容や品質を決定する重要な行程であり、当社の場合は常に二人の日本人が管理・制作を行なっています。

もっとわかりやすく書きますと、プリプレスから印刷までの全体を管理しながらクライアント対応をする日本人が一人。それとキャッチコピーや文章を考えたり、プリプレス行程の実作業を監督して指示を出す日本人が一人(私です)。

コストを抑えつつ、日本企業が要求する高い品質の商品を提供するには、この体制が今のところベストだと思っています。

先日依頼されたのはトレースの仕事だった。

あぁ、それって、ひらひらしてて、パーティーの時に女の人が着る服で...

それはドレス!

あ、そうそう。コンテストとかで始まる前から優勝者とか決まってて、見てる人はぜんぜん面白くないって...

それは出来レース!

あ、あのあの、ちょっと脂身多いけど、衣付けて揚げると「ジュ~」って音して、どろっとした中濃ソース付けて食べるととっても美味しい、あれ、あれ、あれ!

それは豚ロースカツ。「ース」しか合っとらんやないかっ!


ボケかましてるウチに本題忘れそう...。

つまりトレースというのは、ロゴマークとかイラストを電子データ化する作業のこと。マウスで輪郭取ってなぞっていく地道な作業なんですよ。
なんでそんなことするかというと、ロゴマークなんかを拡大して商品に印刷したものを貼り付けたり載せたりするから。
たぶん30秒ぐらいで描いたんじゃないかという芸術的なロゴマークは、デザイナーの手によって、しっかりとトレースされ、電子データ化され、立派な印刷物となる。

トレースと似た作業に「文字入力」という作業がある。
しかし、これは日本人が作業をするか、もしくは作業そのものを監督しないと不幸な結果になることが多い。

冒頭の「トレース」だって、日本語をよく理解できてない作業者の手にかかれば「イしーヌ」になってしまう...。

大連市内のお店の看板でよく見かけるのは「マソサーヅ」。
これは「マッサージ」と描きたかったのだろう。

他には「ベイデグテ」。これは「バイアグラ」だ。

「あなたのための木ットうイソ」。これはちょっと考え込んでしまった。

「あなたのためのホットライン」が正解だ。

これらは幅2メートル以上はありそうなお店の看板として「堂々と」掲げられている。これだけ日本人がうようよと大連にいるのだから、一言、確認をすればよかったのに、とつくづく思う。広告媒体なんだからさぁ。

いや、もしかしたら、わざとやってるのかも知れないな。
なんたってインパクトあるもんな。一度見たら忘れない自信があるぞ。
2ch用語やギャル語という文化もあるわけだし、これはある意味「芸術」なのかも知れない。


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自己紹介:
中国大連開発区のとある印刷工場でお勤め中。
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