忍者ブログ
中国大連の開発区のとある印刷工場でお勤め中の 筆者がなんとなくと言いつつもたまに本気出した りしなくもない勢いで書いてみたりする日記。
[241] [242] [243] [244] [245] [246] [247] [248] [249] [250] [251]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

長春での外国人の結婚登録には三日かかる。
なぜ三日なのかはわからない。
初日は写真を撮影し、申請書類を作成する。二日目は結婚の宣誓書類の作成。
私たちは二日目で私の滞在資格に問題があると指摘され、手続き中途のまま急遽大連に戻ることになった。いわゆるビザの問題である。

それでこの数日の一連の動きにつながるわけだが、とにかく二日目も6時起きで9時までに長春についたものの、9時半には大連に帰らなければならない身となってしまった。
仕方がないので、帰りの交通機関を手配することにする。
長春駅の近くに長距離バスのターミナルがある。そこへ行って空席状況を確認した。午後1時のバスが一番間近な便だそうだ。
一応駅に行って列車の確認をする。
一番早いのは夕方6時の列車。夕方まで長春で何をしろと言うのだ。
帰りはバスへ乗ることに決定。一人157元なり。

出発まではまだ3時間もある。
何もすることは無いし、外はむちゃくちゃ寒いので、バスターミナル2Fの待合いホールで休憩することにする。ホールは大勢の人でごった返していた。バスの中で食べる物や飲み物を売る売店がずらりと並んでいる。菓子パンやソーセージが目につく。そう言えば、大連のコンビニや雑貨店ではよくソーセージを見かける。町中で歩きながらソーセージをほおばる人もたまに見かける。中国ではメジャーな保存食なのだろうか?

プラスチックの椅子では快適に休むというわけにはいかない。ましてや周りはうるさい。しばらくすると便意を覚えたので、トイレに行くことにする。2Fのホールのトイレは改装中で入口が閉鎖されていた。仕方がないので1Fのトイレへ移動。
ここも大勢の人で混み合っていた。

ここで久しぶりに中国の洗礼を受けることになる。

大の用を足すトイレのドアが無い。真ん中に側溝とおぼしき一本の長い溝があり、
そこに人々が横一列に並んでしゃがむ。前後にはしゃがんだ時と同じ程度の高さの敷居があるが、左手の通路側にはドアは無く、次の順番を待つ人から丸見えだ。
私の前の人物の用が終わった。溝には大量の「ブツ」が残されている。一定時間経つと溝に激流が流れ一気に洗い流すのだろうか?
用を足す間は、下からこみ上げるニオイをごまかすためにタバコを吸う。私だけではない。皆同じ行動を取っている。郷に入っては郷に従えである。
農村トイレで慣らされた後では、このようなトイレでも文化的に感じてしまうからすごい。

時間をつぶすというのは本当に辛い。
早めの昼食を摂ることにする。
バスターミナルの近くの店を物色する。普通の食堂があったので、ラーメンを頼んだ。もちろん日本のようなラーメンではない。長距離バスなので水分は控えておかなければ。ビールは御法度だ。
食事の後はバスの中用の食料を補給。大連までは8時間以上。最低でも一回は食事をとらなければならない。買い物が済んだら、また2Fホールへ戻って休憩。

出発30分前になって彼女を起こす。
1Fのターミナルへ移動だ。乗るべきバスはもう来ていた。VOLVOの車体。さすがは大連だ。乗り心地が良さそうだ。
チケットを見せてバスに乗り込む。一番前の席だ。彼女は上着を脱ぎ、さっそくリラックス。私も手荷物を上の棚に載せ、ブーツを脱いでリラックスした。
1時ちょうどにバスは出発。乗客は6名。動き出してしまってからは自由に席を移動して良いそうだ。皆好き勝手な場所に移動する。私たちは面倒なので移動しなかったが。

長春駅を出て30分もしないうちに、市内もう一つのバスターミナルへ到着。
ここで更に4名が乗車。タバコを吸おうと外に出た乗客が制止された。すぐ出発するからタバコ吸ってる時間が無いというわけだ。
ターミナルを出発した後はすぐ高速道路へ入った。
あとは単調な旅。ひたすら寝ることにした。

PR
長春へ行くにはいくつかの交通手段があるが、彼女の実家が農村地域であるため、主要な交通機関のある場所まで移動するには「白タク」を利用せざるを得ない。
出発の前の晩に電話で予約を入れておき、朝6時に起床。6時半には車が家の前で待っていた。銀色のSUZUKIアルト。4ドアで前後にパイプ状のバンパーがデコレートされている。大連でもたまにみかける妙に装飾された軽自動車だ。

彼女は当然のことのように助手席に座る。
別に私と仲良く後ろの席に座ればよいのに、と思うが、大連でタクシーに乗るときも同じスタイルなので仕方ない。私は後ろの座席に納まった。
軽自動車なので後部座席は決して広くはない。ブーツを脱いでくつろぎたかったが、外は零下10度以下。ブーツを履いたままでも床下からの冷気を感じる。
彼女の実家に来たときの道を戻る。未舗装なので、激しく揺れる。相変わらず道の脇の川は凍っている。ただし、凍っているのは表面だけで、下はちゃんと水が流れている。なぜならばところどころ水が湧き出た跡があるからだ。
一面、枯れ果てた大地。緩やかな丘が多数ある中国東北部特有の景色だ。地面が無数に隆起しているため地平線が見えない。かつて満州と呼ばれていた土地に揺られながら、私たちを乗せた車はのんびりと最初の目的地へ向けて進んでいく。

40分後、到着したのは駅前大通り。ここで、次のタクシーに乗り換えるのだそうだ。停車した通りの反対側に一台のフォルクスワーゲン・サンタナが停車している。ただし大連で見られるような公共タクシーではない。普通の乗用車だ。彼女が運転手となにやら交渉している。話がまとまり後部座席に乗り込んだ。助手席には大柄な男性が一人、後部座席には女性が一人座っていた。
後に判明したことだが、吉林の農村地域では、白タクは基本的に相乗りだ。乗客が一杯になったら出発する。途中で乗客が少なくなれば、平気で他の乗客を乗せる。料金は基本的に一人当たり5元。おそらくしかるべき料金を払えば他の乗客を乗せずにチャーターできるのだろう。しかし、彼らも商売だ。乗せられる余裕があるのなら他の乗客も乗せる。

30分程で到着したのは隣町のバスターミナル。10元を払って白タクを降りた。
なるほど。ここで長春行きのバスに乗り換えるわけか。
彼女がバスの運転手に出発時刻と長春到着時刻を確認する。しかし、出発は30分後。到着も遅い。結婚の手続きは午前中しか受け付けてもらえない。待ち時間も考えればバスでは危うい。そこで、またもや白タクに乗ることになった。
ただし今度はステップワゴンタイプの白タクである。フォードの16人乗りのステップワゴン。ベンチシート一列に4人がけ。それが4列ある。すでに15人が乗車。彼女は乗れるとしても、私はどうする?そうしたら、木の折りたたみ椅子が出てきた。釣りの時に座る「あの椅子」である。
普通の日本人ならシートベルトもないベンチシートに座るだけでも抵抗があるのに、木の折りたたみ椅子である。なるほど。これが吉林流か。何事も経験だ。

運転手の右脇に木の椅子を置いて私が座る。私の右横には助手らしき男性が同じ木の椅子を出して座った。いよいよ出発である。
1kmぐらい走ったところで急に車が止まった。助手の男性が外に出ていく。どうやらまだ乗客を勧誘する様子だ。おぃ!まだ乗せる気か!確かに木の椅子はあと二つある。ってことはまだ後二人も乗せようってか?
待っている間に運転手が乗客から料金を集め始める。長春まで一人11元。100kmはある距離だから、妥当な料金だと思ったが、大連よりも収入が低いこの地域の事情を考えると決して安い料金では無いのかも知れない。

彼らにとっては残念なことに、私にとっては幸運なことに、更なる乗客は無かった。諦めがついたところで車は長春に向けて出発。
高速道路らしきところを時速100kmで走行。シートベルトも無い木の折りたたみ椅子での乗車は、なかなかスリリングだ。
またもや停車。今度は何かと思ったら運転手が車を降りて、反対側車線に移動。到着した同型のフォードのステップワゴンに乗り込んで彼は行ってしまった...。唖然としていると、助手だった男性が運転席に乗り込み、車を動かした。運転手の交代だったのか...。高速道路上で無茶すんなよ!

早起きのせいで、眠気が襲う。しかし不安定な木の椅子では眠るわけにもいかない。ちょっとした緩いカーブでも倒れそうになるため、手すりにつかまって体を支えなければならない。途中料金所で停車。料金は支払われていない。同型の車がたくさん走っていることと、車内に彼らの制服があり、腕の場所のワッペンから許可を受けた旅客輸送の団体だということはわかった。だから料金は会社で一括して支払っているに違いない。
変わりゆく外の景色を眺めながら1時間半で車は長春市街へ到着した。
長春市街中心部に入ったところで下車。今度は公共タクシーに乗り換える。タクシーは初乗り2.5kmまで5元。大連(初乗り3kmまで8元)よりも安い感じだ。新しい車なのだろう、車内は清潔で良い香りまでする。
先ほどまでの緊張から解放されて、一気に睡魔に襲われる。しかし、寝ようと思ったところで目的地の外国人結婚登録所へ到着してしまった。

年末年始も仕事です。
自分でも働き者だと思います。

今回、吉林や瀋陽に行ってみて判ったことが一つ。
中国は都市によってタクシーの料金が違うということ。
大連は初乗り3kmまで8元。瀋陽も同じ。
しかし、夜10時以降は、大連は10元。瀋陽は9元です。
これが吉林になるとどうなるか。
彼女の実家のある場所は農村で、いわゆる普通の公共タクシーと言われるものがありません。公共タクシーは彼女の実家から100km離れた長春にあります。
(ちなみに長春までの白タク料金は40~50元で3時間かかります)

長春のタクシーは初乗り2.5kmまで5元。
中国東北地方の大都市の一つとは言え、大連よりも物価は安いです。
その他の違いとしては、大連のような高層建築が無いということ。高級車も少ないですね。(大連に高級車が多すぎるのですが)町中ではリッターカーや軽自動車が多く見受けられます。

今回、わざわざ遠く離れた長春に来た理由は彼女との結婚手続きのためです。
中国では戸籍のある地域の役所に届けを出す必要があります。
長春の市街の外れにある外国人との結婚手続きを受け付ける役所には、既に三組ほどのカップルが来ていました。
手続きを待つ間に、そこにいる人たちを観察していたら、日本語を話すおじさんが約一名...。どうやら二組のカップルを引率している感じです。
なるほど、いわゆる「結婚仲介業者」さんですね。

私たちの前のカップルは30歳ぐらいの背の高い日本人男性と22~23歳ぐらいの可愛らしい中国人女性。初々しい感じです。
もう一組のカップルは額のかなり後退した背の低い50代の日本人男性と髪の毛を少し赤く染めた30歳ぐらいの派手な中国人女性。
おそらくすべての手続きが済んだら、日本で生活するのでしょう。
知人が結婚仲介業をやっているのですが、実際の手続きの現場は初めて見ました。

今回、吉林の彼女の実家へ行って寝泊まりして感じたことがあります。
それは、中国人女性、それも農村地域の女性と結婚するということは、彼女のお母さんお父さん家族をひっくるめて、将来に渡って関わりを持つ、それは経済的な援助も含めてということですが、そういう「責任」を負うのだということです。
中国の習慣は知識として知っていましたから漠然とした覚悟はあったのですが、上下水道も無く、毎日風呂に入ることはできず、厳しい気候の中、自給自足で生活をしていくという農村での生活を実際に体験した後では、「オレががんばって、もっと楽な生活をさせてあげたい」という並々ならぬ決意を持つに至りました。

便利な都会での生活、地方でも何不自由無い日本での生活に慣れ親しんでいる日本人の男性は、安易に中国人女性と結婚する前に、ぜひ彼女の実家で一週間ぐらい寝泊まりして、中国の農村の生活を体験することをお薦めします。
どうして若者が次々と都市へ出稼ぎに行き、実家へ仕送りするのか?
どうして農村の女性が日本人男性と結婚し、日本へ行きたがるのか?
これを「本当に」理解できた上で、なおも結婚するのであれば、きっと幸せな結婚生活が送れるに違いありません。



忍者ブログ [PR]
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
[05/15 みこ]
[05/15 チェリー坊]
[05/15 水]
最新TB
プロフィール
HN:
大連太郎
年齢:
54
性別:
男性
誕生日:
1970/06/09
職業:
技術職
趣味:
インターネット、DVD鑑賞
自己紹介:
中国大連開発区のとある印刷工場でお勤め中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析